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執筆者の写真GDChef編集部

ぬくもりを感じる料理を

更新日:2021年4月22日

30代で一念発起して料理界に飛び込んだ小西シェフの作るメニューは、美味しさと優しさに満ちています。時間がたっても美味しく食べられるよう工夫しているだけでなく、食べる人の体調まで考えて栄養バランスにも気を遣っているとか。今回は、そんな小西シェフにお話を伺いました。



――どういった経緯でGreen Diningに参加されたのでしょうか。


以前は金融業界におりましたが、30代になり今後の人生を考えた時、将来的には自宅で料理教室を開きたいと思ったんです。小さい頃から料理が好きで、一生続けても苦にならないと思えましたし、将来どういう土地に住むことになっても料理のスキルがあれば料理教室のみならずボランティアという形で社会参加が出来るという思いもありました。


そこでル・コルドン・ブルー東京校に通い、料理と製パン、菓子を学び、念願の料理教室を開催しました。最初は近所の方に声をかけての小さな教室でしたが、そこにGreen Diningの方が生徒として参加されたご縁で、お声がけをいただきました。

――Green Diningでパーティー料理を提供する場合の流れを教えてください。


どういう主旨の会なのか、どんなお客様がいらっしゃるのかから始まって、お客様の望まれるスタイルや雰囲気、予算などをかなり細かく伺った上で、ご要望に合ったメニューを考えています。


気をつけているのは、冷めても美味しく食べられることです。自宅での料理と違い、パーティーでは開催時間中ずっと美味しく食べられなければいけないので、時間が経っても味が変わらないようなレシピにしています。


ただ、ほとんどの場合、会場入りしてから料理をサービスするまでは1時間程度しかとれません。本当は1人分ずつ盛りつけたほうが見栄えがよくなりますが、盛りつけにこだわるよりも、その分の時間を美味しく召し上がってもらうための工夫に使っています。


――お得意のメニューを紹介していただけますか。


野菜をたくさん練り込んだ「ケーク・サレ」は、ベジタリアンの方にもおすすめの一品で、いつもメニューに入れています。パーティー料理というとお肉を好む方が多いのですが、栄養バランスも考えたメニューをお出ししたいという思いがありました。見た目も色鮮やかでかわいらしく、女性に人気なのですが、お若い男性からも「普段はあまり野菜を食べないのでありがたい」といった声をいただいています。


また、寒い季節には、火を通した野菜を摂っていただきたいので、「季節野菜のロースト サラダ仕立て」もよくお出しします。カボチャやビーツなどをオーブンで焼いてドレッシングをかけたものですが、特にスーパーフードとして注目度の高いビーツは栄養価が高いため積極的に活用しています。生産者から野菜を安く融通してもらったりして、ご予算の範囲内でたっぷり召し上がっていただけるようにしています。


お肉料理では、鶏肉を粒マスタードとヨーグルトに一晩漬け込んで、オーブンで焼き上げた「粒マスタードとヨーグルトのグリルチキン」が人気ですね。ヨーグルトの酸味の効いた味わいで、冷めても美味しくいただけるんです。鶏肉はヘルシーなので、女性の方にもご好評をいただいています。


ボリュームのある料理としては、「ローストポーク ローズマリー風味」もおすすめです。オーブンの余熱を使ってじっくりと火を通すことで、柔らかくジューシーに仕上がります。こちらも香草の風味で、冷めても美味しく召し上がっていただけます。



――使っている食材にこだわりはありますか。


本来なら無農薬有機栽培のブランド野菜や銘柄牛のような食材を使いたいところですが、こだわればこだわるほどコスト的な問題が大きくなってしまうので、難しいところですね。でも野菜はなるべく新鮮なものを味わっていただきたいので、産地直送で仕入れています。コストなどの制限がある中で、いかに美味しく、たっぷり味わってもらえるか、最大限の工夫と努力をすることを心がけています。


――Green Diningで仕事をして良かったことは?


お客様のさまざまなニーズに応えることで、私自身もスキルアップができました。たとえばヴィーガンの方が参加されるパーティーでは、ヴィーガンではない方にも美味しく食べていただけるようなメニューやレシピを研究しました。さらに、栄養バランスの良いメニューをお出ししたいという思いから、栄養学の知識なども身につきました。


あと非常に個人的なことですが、お客様の前でメニューのご説明をすることがあるため、度胸がつきました(笑)。自宅で料理教室をしているだけでは出会うことのない方々にお目にかかれるのも、良いことのひとつです。こんな世界があるんだと目の当たりにして、社会勉強にもなります。


――料理をする上で、一番大切にしていることを教えてください。


私にとって料理は、自分の人生に潤いを与えてくれるものです。実は食べるよりも作るほうが好きで、料理をすることでリフレッシュできるし、料理や食材の背景にあるストーリーを知るのも楽しいんです。


私の料理を味わってくださった方にとっても、潤いになっていたら嬉しいですね。料理を食べて「楽しかった」という思いを持ち帰ってほしい。そんな思いで、いつも料理しています。


【おすすめメニュー】

・ケーク・サレ

・パエリア

・粒マスタードとヨーグルトのグリルチキン

・ローストポーク ローズマリー風味

・パン・シュープリーズ

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